富山県の地名

自治体 初見年 正式採用年 名称の由来 主な旧称(時期)
富山市 1398年 1889 立山連峰へ続く山々(富・外山など)を展望できる地形に由来する説や、旧大沢野町付近などの“外山(とやま)”に由来する説など諸説ある。中世末期より城名・城下町として定着した。
初出は応永5(1398)年の記録等に「外山(とやま郷)」。
外山(古形)【中世】/富山(城下)【戦国期~江戸期】
高岡市 1609 1889 慶長14(1609)年に加賀藩2代藩主・前田利長が「関野」と呼ばれた地に築城した際、『詩経』の「鳳凰鳴矣、于彼高岡(鳳凰鳴けり、かの高き岡に)」にちなみ命名された瑞祥・城下町名。
初出は慶長14(1609)年の築城記録等に「高岡」。
関野【〜1609年頃迄】
魚津市 746年 1889 角川の河口付近にあたる浜辺や湊(津)を意味し、古くは豊富な海産物にちなむ「小戸浦(小津)」や「魚堵(うおつ)」と呼ばれた在地名に由来する。のち北陸街道の宿場・湊町として発展。
初出は『万葉集』(天平18・746年)の大伴家持の歌に詠まれた「小津」。
小津【奈良期~】/小戸・魚堵【中世】/魚津(城下・宿場)【戦国期~江戸期】
氷見市 1350年 1889 海越しに立山連峰を望む海岸地形などから日を観る「日見(ひみ)」に通じるとする説や、烽火(のろし)を指す「火見(ひみ)」に由来する説などがある。中世に荘園・湊町として発達した。
初出は観応年間(1350年代)の文書等に「氷見(荘)」。
氷見荘【南北朝期〜室町期】/氷見(町)【江戸期】
滑川市 1530年 1889 市内を流れる「滑川(なめりかわ)」の河川名に由来する。河床が滑らかな岩や石で形成された川という地形語彙とされる。近世は北陸街道の宿場として栄えた。
初出は天文年間(1530年代)の記録等に「滑河(宿)」。
滑川(宿場・町)【戦国期〜江戸期】
黒部市 1310年 1954 日本有数の急流河川「黒部川」に由来。アイヌ語のクンネ・ペツ(黒い・川)説など語源は諸説ある。市名としては昭和29(1954)年の合併時に広域名として採用された。
初出は鎌倉後期(1310年代)の文書等に「黒部(保)」。
黒部保・黒部郷【鎌倉期〜室町期】/桜井町・生地町など【〜1954年迄】
砺波市 701年 1954 古代の越中国などに置かれた郡名「利波(となみ)郡・砺波郡」に由来する。「トナミ」は湖や水辺を指す水系地形に由来する説などがある。
初出は大宝元(701)年の大宝律令や出土木簡等に見える「利波郡」。
利波(砺波)郡【飛鳥期〜】/出町などの各町村【〜1954年迄】
小矢部市 1450年 1962 市内を貫流する主要河川「小矢部川」に由来する水系・広域地名。昭和37(1962)年の合併時に新市名として採用された。中世には地名(荘園等)としても見られる。
初出は室町中期(1450年代)の文書等に「小谷部(荘)」。
石動町・砺中町【〜1962年迄】
南砺市 2004 2004 平成16(2004)年の福野町、井波町、城端町などの町村合併の際、「砺波郡」または「砺波平野」の“南”側に位置することを示す方位地名として命名された合成・新地名。
初出は平成16(2004)年の市名選定時。
城端町・福野町・井波町・平村など8町村【〜2004年迄】
射水市 701年 2005 古代越中国の郡名「射水郡」に由来する。万葉集にも詠まれた古い地名で、湧水や川(出水=いみず)を表す水系語彙とされる。平成17(2005)年の新湊市周辺の合併時に採用された。
初出は大宝元(701)年の大宝律令や『万葉集』等に見える「射水(川・郡)」。
射水郡【飛鳥期〜】/新湊市・小杉町などの各市町村【〜2005年迄】
上市町 1598年 1889 中世末期から近世にかけて形成された「市」の集落のうち、水系の「上(上流・上手)」に位置することにちなむ市場・交易町地名。
初出は慶長3(1598)年の越中検地帳(慶長水帳)等に見える「上市」。
上市(町)【安土桃山期~江戸期】
立山町 747年 1954 日本三霊山の一つ「立山(たてやま)」に由来する。古くからの修験道・信仰の対象であり、太刀のような鋭い山容から名付けられたとされる。昭和29(1954)年の合併時に採用された。
初出は天平19(747)年に大伴家持が詠んだ『万葉集』の「多知夜麻(立山)」。
雄山町などの各町村【〜1954年迄】
舟橋村 1450年 1889 村内を流れる京田川に、舟を並べて板を渡した「舟橋」が架けられていたという交通・地形に由来する。のち近世を通じて村落名として定着した。
初出は室町中期(1450年代)の文書等に「舟橋」。
舟橋(村)【戦国期〜江戸期】
入善町 1190年 1889 中世の荘園名「新庄(にゅうぜん/新荘)」の音読に由来するとされる。新たに開墾された荘園が「入善(にゅうぜん)」という好字・当て字に変化して定着した。
初出は鎌倉初期(1190年代)の文書等に「入善(新荘)」。
入善(新)荘【鎌倉期〜室町期】/入善(村・宿)【江戸期】
朝日町 1954 1954 昭和29(1954)年の泊町などの合併時に、町内にそびえる名峰「朝日岳」にちなんで命名された山岳・瑞祥地名。
初出は昭和29(1954)年の町制施行時。
泊町・宮崎村などの各町村【〜1954年迄】

富山県と地名の広がり

富山県の市町村名は、越中国の古代の郡名(射水・砺波)や、険しい地形から生み出される急河川名(黒部川・滑川・小矢部川)、山岳信仰の対象である名峰(立山・朝日)など、自然の恩恵や脅威とともに歩んできた風土に由来するものが多数見られます。また、「高岡」にみられる藩主の瑞祥命名や、南北朝・鎌倉期以来の荘園(入善・氷見・魚津など)に起源を持つ古い歴史が、都市名として脈々と息づいています。

地名の由来

嚮明而治
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