茨城県の地名
| 自治体 | 初見年 | 正式採用年 | 名称の由来 | 主な旧称(時期) |
|---|---|---|---|---|
| 水戸市 | 15世紀 | 1889 | 古形は湊(みなと)に通じる語で、那珂川・千波湖の水運の出入口を指した呼称が地名化。のちに城下の発達で確立し近代の市名へ継承。 | 水府/府中【中世】/水戸城下・水戸藩【近世】 |
| 日立市 | 19世紀末 | 1939 | 明治の村名日立に始まる新称で、日の立ち昇る景観を讃えた命名と伝わる。多賀・助川など沿岸集落が工業化で一体化し市名に定着。 | 助川/多賀【近世】→日立村→日立町【近代】 |
| 土浦市 | 中世 | 1940 | 霞ヶ浦畔の浦地形や港津にちなむとされ、城下名として広まった。在地の信太荘の中心として商業が発達。 | 信太荘【中世】/土浦町【近代】 |
| 古河市 | 室町期 | 2005 | 中世の古河城・宿駅に由来。渡良瀬川の要衝に成立した城下名が地域呼称となり、広域合併後も古河を継承。 | 古河藩/古河城下【中近世】/古河市【1950〜2005】 |
| 石岡市 | 近世 | 1954 | 古代の国府所在地府中ののち、台地の石の岡にちなむ在地名が普及して石岡となり、町名・市名へ継承。 | 常陸国府・府中【古代〜中世】/石岡町【近代】 |
| 結城市 | 中世 | 1954 | 武家結城氏の本拠に由来。城下として栄え、郡名・町名を経て現市名へ。 | 結城郷/結城城下【中世】 |
| 龍ケ崎市 | 近世 | 1954 | 台地の崎と竜神伝承にちなむ地名。河岸(利根川舟運)の町として発達し、町名を市名に継承。 | 龍ケ崎町【近世〜1954】 |
| 下妻市 | 中世 | 1954 | 在地名の継承。古くは市場・宿駅の市庭に由来する説、湿地帯の端(つま)地形に通じる説など諸説が伝わる。 | 下妻町【近世〜1954】 |
| 常総市 | 2006 | 2006 | 旧水海道市・石下町の合併時、公募で県南の広域呼称常総を採用。鬼怒川・小貝川流域の中心としての位置を表す。 | 水海道市/石下町【〜2006】 |
| 常陸太田市 | 中世 | 1954 | 在地名太田に、旧国名常陸を冠した合成。城下・宿の歴史を持つ地域名を継承。 | 太田【中世】/常陸太田町【近代】 |
| 高萩市 | 近世 | 1954 | 台地の高みと自生する萩にちなむ在地名。鉱工業の発達とともに町名→市名へ。 | 高萩町【近世〜1954】/松岡【藩名】 |
| 北茨城市 | 1956 | 1956 | 県北部(北・茨城)の広域名を採用。磯原・大津・中郷などの地域を一体化する新称。 | 磯原町/大津町/中郷村ほか【〜1956】 |
| 取手市 | 近世 | 1970 | 川の渡し場・防禦施設砦(とりで)に通じるとされる地名。利根川舟運の要地として発達。 | 取手宿→取手町【近世〜1970】 |
| 牛久市 | 中世 | 1986 | 在地名牛久の継承。語源は諸説あるが、牛久沼をひかえる地勢・水運とともに名が定着。 | 牛久町【近世〜1986】 |
| つくば市 | 8世紀 | 1987 | 古代筑波郡・名峰筑波山に由来。研究学園都市の形成に伴い、複数町村が合併しひらがな表記で市名化。 | 谷田部町/大穂町/豊里町/桜村【〜1987】 |
| ひたちなか市 | 1994 | 1994 | 旧勝田市と那珂湊市の合併時に、旧国名常陸(ひたち)と那珂を合わせた合成新称。 | 勝田市/那珂湊市【〜1994】 |
| 鹿嶋市 | 8世紀 | 1995 | 古社鹿島神宮の社名に由来。市制施行時に字形を鹿嶋とし、伝統の音を継承。 | 鹿島【古代〜1995】/鹿島町【近代】 |
| 潮来市 | 8世紀(古形) | 2001 | 古形は『常陸国風土記』の板来(いたこ)。のち低湿地に潮が来る景観にちなみ表記が整い、町名→市名へ。 | 板来【古代】/潮来町【近世〜2001】 |
| 守谷市 | 中世 | 2002 | 在地名守谷の継承。古道の分岐・台地端の集落として発達し、町名から市名へ。 | 守谷町【1955〜2002】 |
| 常陸大宮市 | 8世紀(古形) | 2004 | 古い社地・郷名大宮の伝統に、旧国名常陸を冠した新市名。久慈川流域の広域合併で成立。 | 大宮町/山方町/美和村/緒川村/御前山村【〜2004】 |
| 那珂市 | 8世紀 | 2005 | 古代の郡・河川名那珂に由来。旧那珂町・瓜連町の合併で市制へ。 | 那珂郡/那珂町/瓜連町【〜2005】 |
| 筑西市 | 2005 | 2005 | 筑波山の「筑」と県西地域の「西」を合わせた合成新称。旧下館市を中心に成立。 | 下館市/関城町/明野町/協和町【〜2005】 |
| かすみがうら市 | 2005 | 2005 | 日本第二の湖霞ヶ浦にちなむ。沿岸の歴史と水運文化を象徴する広域名を採用。 | 霞ヶ浦町/千代田町【〜2005】 |
| 神栖市 | 中世(背景) | 2005 | 古くからの神之池・息栖神社(東国三社)の信仰地にちなむ命名系統。1955年の神栖村成立を経て市制へ。 | 神栖村→神栖町【1955〜2005】 |
| 行方市 | 8世紀 | 2005 | 古代郡名行方(なめがた)の継承。霞ヶ浦・北浦の間にのびる台地と舟運の要衝に由来。 | 麻生町/北浦町/玉造町【〜2005】 |
| 鉾田市 | 近世 | 2005 | 在地名鉾田の継承。砂丘地帯の開発とともに町名が広まり、市名へ。 | 鉾田町/旭村/大洋村【〜2005】 |
| つくばみらい市 | 2006 | 2006 | つくばとみらいを合わせた公募新称。旧伊奈町・谷和原村の合併で誕生。 | 伊奈町/谷和原村【〜2006】 |
| 小美玉市 | 2006 | 2006 | 旧小川町・美野里町・玉里村の頭文字を組み合わせた合成新称。 | 小川町/美野里町/玉里村【〜2006】 |
| 笠間市 | 8世紀 | 2006 | 古来の在地名笠間を継承。城下町と門前町(笠間稲荷)の歴史に根ざし、平成の合併で再編成。 | 笠間藩城下【近世】/笠間市(旧)+友部町+岩間町【〜2006】 |
| 桜川市 | 2005 | 2005 | 市域を流れる桜川に由来。古来花の名所と岩石文化(石の町)で知られる地名を採用。 | 真壁町/岩瀬町/大和村【〜2005】 |
| 坂東市 | 2005 | 2005 | 古来、関(逢坂)より東=坂東の雅称を採用。県西平野の広域合併により成立。 | 岩井市/猿島町【〜2005】 |
| 稲敷市 | 8世紀 | 2005 | 古代郡名稲敷の継承。霞ヶ浦南岸の低湿地の開発史を背景に、複数町村の合併で市制へ。 | 江戸崎町/桜川村/東町/新利根町【〜2005】 |
| 茨城町 | 8世紀 | 1955 | 県名と同根の古称茨城(茨の生い茂る丘陵にちなむとされる)を郡名から継承。内陸台地と湖沼の境を表す広域呼称。 | 茨城郡/長岡ほか【〜1955】 |
| 大洗町 | 9世紀 | 1954 | 外洋に面した荒い波(おおあらい)の浜に由来する説が伝わる。大洗磯前神社の門前町として発達。 | 磯浜村→大洗町【〜1954】 |
| 城里町 | 2005 | 2005 | 桂・七会・常北の合併時、公募で「城のある里」の意を込めた新称。山地と里山の風土を象徴。 | 桂村/七会村/常北町【〜2005】 |
| 大子町 | 12世紀 | 1889 | 郷名大子(だいご)の継承。久慈川上流の交通要地で、市場・宿の発達に伴い名が定着。 | 大子郷→大子村→大子町【中世〜】 |
| 阿見町 | 中世〜近世 | 1955 | 在地名阿見の継承。霞ヶ浦沿岸の条里・開発に伴い、湖沼と台地の縁(へり)に展開した集落名が基層。 | 阿見村→阿見町【1889〜】 |
| 河内町 | 8世紀 | 1955 | 古代郡名河内の継承。利根川・新利根川に囲まれた川の内の低地帯を指す広域名が町名化。 | 河内郡/(旧)金江津・源清田ほか【〜1955】 |
| 八千代町 | 1954 | 1954 | 繁栄長久を願う瑞祥名。「八千代に栄える」意を込めて命名。 | (旧)結城郡の諸村→八千代町【1954】 |
| 五霞町 | 近世 | 1955 | 古形五箇(五つの集落)に由来とされ、のち「五霞」の表記が一般化。中川・利根川筋の渡河点の町。 | 五箇→五霞村→五霞町【近世〜】 |
| 境町 | 近世 | 1889 | 常陸国と下総国の国境(さかい)に位置することに由来。江戸期は舟運・陸運の宿場として栄えた。 | 境宿→境町【近世〜】 |
| 利根町 | 1955 | 1955 | 大河利根川に由来。河岸の集落と台地上の新田開発に根ざし、広域再編で現町名に。 | 布川町(旧)ほか【〜1996】 |
| 東海村 | 1955 | 1955 | 旧中丸村・石神村の合併時、公募新称東海を採用。太平洋(東の海)に面する地勢を端的に表す。 | 中丸村/石神村【〜1955】 |
| 美浦村 | 1955 | 1955 | 旧木原村・舟子村の合併時、霞ヶ浦の美しい浦にちなむ新称美浦を採用。 | 木原村/舟子村【〜1955】 |
嚮明而治
copyright (C) teto All Right Reserved